それは音から始まった……。
そして幻視。
嫌な匂いに気が付くと、もうそれからは逃れられない。
新築のマンションのとある一室から物語は始まった。その恐怖の伝播は隣の部屋だけでなく、上下の部屋まで押し寄せる。
一体その部屋で何が起こって、それが始まったのか?
疱瘡。間引きした子供達。そして腐った臭いの根源とは?「共有地」に纏わる過去の行為が現代に呪いとなって蘇る。
もしかしてあるのかも知れない恐怖を、巧みな描写がヒシヒシと迫る様に描かれている。怖くて堪らないのに、読む手が止まらない。
――このマンションに住む住人は誰も逃れられない……。
夏の暑さが続く今日この頃、私は好条件のお部屋を見つけた。何かと値段が高騰する中で、びっくりするほどの激安である。我ながら、いい買い物ができるかもしれない。
……でも、実際に尋ねてみたらなんか変な雰囲気がするんだよなぁ。隣の部屋のやけに疲れ切った夫婦が、一瞬変な視線を向けてきたんだ。あと、何故か『騒音』とか『異臭』とかそんな会話が聞こえてきた気がする。なんか、事故物件(?)とか言うけれど、そんなにやばいのかな。
……これを読んでるそこのあなた。ちょっと、確かめてきてもらえると嬉しいかも? ちょっと、怖くなってきちゃった。今更、事故物件なんて迷信……のはずなんだけど……