まどマギのような雰囲気が漂う本作ですが、魔法による壮大さやメンタルをえぐるような残酷表現などはなく、代わりに極めて日常的な問題が取り上げられているのが何とも丁度いい感じで、実に目の付け所が良いですね。
しかもそれでいてマスコット枠の人外的で邪悪なゲス発言は相変わらずなので、実に気分良くヘイトを向けることができます。
いや、ホントにろくでもないことしかしてないですし、掲げる話の壮大さに対して全然釣り合ってないというか、このアンバランスさがアホ程滑稽なのですよね。
そのくせ、人間の心理についてはめちゃくちゃ冷静で詳しく見ているところがまた実に上位存在らしいですし、小賢しく小憎たらしいです。
そんな不愉快生産機が現れた折に、突如発生する絵師の炎上騒動。
心穏やかならぬものを感じる中、主人公は一つの願いを望みます。
これがまた、成熟した冷静な大人だからこその答えであるようで、「ちょうどいい」という感じがするのです。
リスペクト元のように不安定な思春期の少女たちでは、この答えは出せなかったかもしれませんね。
さて、日々どこかで発生する「熱」、あなたはどう対処しますか?
そんな荒れ気味な世の中だからこそ、本作でその答えを掴むことができればと思います。
「熱」というテーマで自由自在、とすごく楽しい作品でした。
第一話で現れる「ジュウベぇ」なる怪しい存在。「僕と契約して環境活動家になってよ」といきなり言い出してくる。
……こいつ、つまりは「アイツ」だよな、とその場で心を持っていかれました。
宇宙の「熱的死」に対応するために動いているという。たしか元ネタもそんな感じの目的を持っていたような、と。
そんな怪しい奴から「熱」についての話をされ、この世の中に存在している様々な「熱」について考察していくことに。
炎上騒動などから見る人間の本能の問題。そして核兵器による「抑止論」としての話。そんな壮大かつ哲学的な形で「熱」が論じられていく展開がとにかくイメージ的な楽しさに満ちていて最高でした。
果たして、そんなジュウベぇたちは「熱的死」を防ぐためには「どんな形」で熱を集めるべきだと結論を出すか。
その辺りもまた逆説的な楽しさがあり、本当に「熱」というもののイメージの豊富さを堪能できます。
テーマ性あり、更にテンポよく様々なイメージを楽しめる、充実感いっぱいの作品でした。