異世界帰りの魔法使い・渡繋は、文明が崩れた地球で圧倒的な力を持ちながら、自分を顧みない自己犠牲の癖が抜けない。誰かを救うことでしか生き方を見いだせない彼が、ゾンビ進化系の脅威と異能者たちの混乱の中で、少しずつ“支えられる側”へと変わっていく過程が胸に刺さる。ほのぼのとした序盤から、仲間との関係性が深まるにつれ物語は静かに熱を帯びる。戦いは派手なのに、核にあるのは人のぬくもり。終末世界で再び居場所を見つけていく魔法使いの成長譚として、読後に温かさが残る一作。
いや〜来ましたね、『ゾンビだらけの世界でただ1人の魔法使い』。終末世界なのに魔法使いって、「そっち!?」ってなるんですけど、これが妙にハマるんですよ。しかも主人公がおっさん。ここがいい。若さで押さない代わりに、落ち着きと生活感で乗り切る。「体力ないけど火力ある」感じがリアルで、ゾンビ相手にもどこか余裕があるのが面白い。結局これ、最強バトルっていうより「おっさんがなんとか生き延びる話」。じわっとくる味があって、クセになる一作でしたね。