本作の魅力は、“旅と観察”を中心に据えた落ち着いた語り口です。戦闘や急展開に頼らず、ギルが世界のあり方を理解し、道のりや人々とのふれあいを積み重ねていく様子が、日誌のように丁寧に描かれていきます。旅人ならではの視点で描かれる異世界は、世界の歯車としての人や魔物を冷静に観察する眼を通して、読者にも自然と広がりを感じさせてくれます