ここまで心情描写に力が入った異世界転生モノは珍しいと思う。前世は不登校だった主人公のアルくんは、転生した後も悩み続ける。自分がここにいて良いのか、才能というモノは自分の本当の力として見て良いのか。異世界転生では無視されがちな答えのない『人としての苦悩』と真剣に向き合い、やがて数奇な運命にのまれていく物語は、重厚でハイクオリティとしか言いようがない。文章も読みやすく、異世界モノらしい戦闘シーンもあってとても満足度の高い作品だと私は思う。やり直しというテーマに、これ程までに真剣に向き合った異世界転生がかつて存在しただろうか。