題名の「花喰らうモノ」や、サブタイトル(?)の「逃れられない性」のように、漢字でもいいものをカタカナにしていたり、「生」じゃなく「性」って書いててすごいと思いました。話の内容にあっている漢字だな、と読んで思いました。そして、椿みたいな感じの話でした。うまく言えませんが、椿です。花言葉とかは関係なく、雪に紅く映える椿のような話でした。そして、遅くなりましたが「聴こえる。人魚の歌が」の応援、ありがとうございます。遅くなって、本当にごめんなさい。
冬の夜橙の三日月の下で椿の花に衝動的に噛みつく主人公──その異様な光景から〝花吐き病〟と〝花喰い病〟という二つの病と人の恋情・業が静かに立ち上がってくる平凡な会社員と幼馴染の女医との会話もどこか翳りを帯び現代医療と民間伝承のあわいで揺れる不気味さがじわじわと沁みる神話の引用が物語に重みと余韻を与え花の美とグロテスクさが同居する静かな恐怖譚──読み終えた後も街路樹の蕾を見るたび、喉の奥がひやりとし花粉の匂いにさえ胸のざわめきを覚えるよう⋯⋯