16歳。それは息をするだけでも悩む、そんな年齢。
その年頃で、もしも波動が撃てたなら。
もしも、その力に目を付けた父親が
「道場開いて儲けよう」
とか言って、詐欺まがいの商売に目覚めたら。
もしも、その道場が有名になって道場やぶりが来ちゃったら。
もしも、そのまま成り行きで鬼退治させられちゃったら。
でも「もしも」は続いても、自分の実力は変わらないままだったら。
乙女の抱く苦悩と、困惑と、ツッコミ。
そして周りを固めるアカン大人の数々。
主人公ナミエ様の波動な毎日を読み進めながら、
ただただ一言
「もっとやれナミエ!」
と励ましたくなりました。
結局最後は母の愛が勝つ、
そんな心「温まる」お話です。
ご一読あれ!
たぶん〝気〟だと思える、見えない何かを手の平から出して少し離れたところにあるラムネ瓶を倒せる少女。ナミエ。16歳。
撃ち放つ引き金は〝はああ〟という撃つ直前の気合←ここ大事。
そして能力の効果は少しのと撃たれた者が少し光り暖かくなるというものだ。
その僅かな異能に目をつけた父は、ナミエの波動の異能を誰もが習得が出来るかのような喧伝した道場を開いてしまう。詐欺行為である。
好事魔多し。天網恢恢疎にして漏らさず。
ナミエの詐欺現場へ道場破りらしき強面の巨漢がやって来る。
そして物語は波動を巡る限界突破のドッカンバトルへ────
ナミエ、陸助、小山、木村、▓▓。
出てくる登場人物の皆が、癖強い。
意外必見の結末に刮目だ!
笑わないでは居させない。
ボケとスカシの激烈波状攻撃に、果たしてキミは耐えられるか?!
「波動が撃てる」という、少年漫画なら主人公確定の特殊能力。
しかし、本作のヒロイン・ナミエが放つそれは、瓶を一本倒すのが精いっぱいの「ぬるま湯」のような光でした。
インチキ道場を営むダメ親父、毒矢で自爆する老人、そして「温まる……!」と不思議体験を満喫してしまう道場破り。
登場人物全員がどこかズレていて、物語はまさかの「鬼退治」へと急展開しますが、そこで明かされる波動の真の使い道——「ホッカイロ効果」には思わず吹き出しました。
ギャグの連発の裏側に隠された、離れ離れになった母への想いと、抑圧された感情の爆発。
クライマックスで放たれる「くそがああああ!」という叫びとともに炸裂する最大出力の波動は、読者の心のモヤモヤまでスッキリと吹き飛ばしてくれます。
ラスト、南の島からの手紙と、ナミエちゃんの「カラオケ」の約束に、読後感はタイトル通りポカポカと温まること間違いなし。
「力」の使い方に悩むすべての人(と、ダメな父親を持つすべての人)に捧げたい、最高にキュートでパワフルな一編です!
なんでも、ジャンプコミックのあの方や、カプコンの格ゲーに革命をもたらしたあの方よろしく、波動が撃てるようになる道場があるようでして。
こちらは余談ですが、本当に『気』を操れる方というのはいらっしゃるのですな。
私も体験するまで疑っていたわけですが、
その人が掌から気を発すると、本当に体温が上がるというか……熱が発せられるのです。
「何したの?」と聞いたら、
「気を流しただけ」とかなんとか。ハア、さいでござんすか。
まあともかくそっから道場破りだ怪異だ出てきて、この先生特有のジェットコースター展開になるのですな。
ファラドゥンガ先生はほんとこの、起承転結のテンポがよろしくて、
中でも転に到達する高度と速度が小気味良いのです。
そして後は少年誌のようなバトル展開と、『クソが』これね。
これをカクヨム界隈で流行らせたの誰なんですかね。
絶対黒澤先生ですよね。
このように、バトルあり、怪異あり、はちゃめちゃあり、さらに家族の暖かさもバランス良く含まれております。
ご一読を。
「気を操る」。それは少年(もしくは少女も)にとっての憧れの的!
某ドラ〇ンボールだとか、ハ〇ター×ハン〇ー、ワ〇ピースなどを読み、自分にも気だとか念だとかを使いこなせたら……と夢見たことのある人は少なくないはず。
(または、今も夢を見続けて、日夜特訓中の方もいるかも?)
本作は、そんな「DREAM」を人々に見せることで道場で商売をしている少女が主人公です。
ナミエには「気」を発することができ、それによって人を倒すことが出来るほどの力がある、と世間的には喧伝しています。
彼女には本当に気を発することはできるものの、それを受けた人間がポカポカした気持ちになれるという程度の微弱なもの。でも本物は本物。あとはそれらしく見せる工夫をすることで、『練習すれば「か〇はめ波」みたいなものが撃てるかも』なんて夢を門下生に見せることに成功しています。
でも、道場にはやはり道場ならではの悩みがあり、彼女たちの前に「思わぬトラブル」が舞い込むことに……。
気という少年漫画の人気設定がコメディとして描きあげられているのがとても楽しい作品でした。
果たして、ナミエの持つ「気」の力はただの「それっぽいもの」で終わるか。それとも「強烈なエネルギー波」に成長することもあるのか。
少年の夢の「if」を描き出した、胸熱な展開もあり、とっても充実した読書体験を得られる一作です!