「これがちゃんと学校を出た人の”小説”かぁ」と感心させられました。
小卒の私が書くナンチャッテ・ラノベとは全く違うな、と。
小学校では国語の成績は社会と共に一番悪く、文才も学も何もないので比べたら失礼ですが……。
セリフが少なく、所謂文章で情景を、状況を伝えているのだと解りました。私には決して真似できないチート能力です。
空中に”アレ”を創る能力は使い様ではチート能力に該当するとも感じました。
うえきの法則の主人公の異能力の様な感じ……ではないのですが、色んな使い方が思いつきます。
Devil May Cryのダンテが初期段階で習得する基本スキルを思い出しました。
短い言葉で簡潔に、それでいて明瞭に情景が瞼の裏側に投影される様な文章でした。
異世界召喚ものとしては王道の導入を持ちながら、「戦えない恩寵チート持ち」に焦点を当てることで、かなり独特な切り口になっています。
壮絶な戦場描写から一転して、保護組として雑用に従事する日常へ落とし込む構成が、世界の残酷さと現実の落差を強調しています。
能力がどれも戦闘向きではなく、むしろ生活技能として微妙に役立つ程度という設定が、逆にリアルな“使い道のなさ”として機能しています。
ナナ、麻美、未来という三者三様の立ち位置が明確で、それぞれの能力差と適応の仕方が日常パートの軸になっています。
「異世界=即英雄」ではなく、「異世界=雑用と適応」という方向性を丁寧に描いた、地味ながら味のある作品でした。