顔を隠して生きる、遠野と朝比奈。人の目が怖くて、自分を知られるのが怖い二人が、ふとしたきっかけで言葉を交わすようになる。遠野がそっと編む、手作りの小物たち。隠れている本人の代わりに、その"作ったもの"が少しずつ世界へ出ていく。やがて二人は、似た痛みを持つ者同士、互いの背中を押し合いながら、一歩ずつ前を向いていく。派手な事件はないのに、ページをめくるごとに、ぼやけていた景色が少しずつ色づいていくよう。静かであたたかい、小さな一歩の物語。
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