続きが気になる
本作は「人類100億人」という祝賀的な出来事を、極端に平坦な日常描写から描き始めた点が印象的でした。淡々とした訓練・事務・食事の積み重ねが、その後に訪れる非日常の凄惨さを際立たせています。特に、ケンジと田所の短いやり取りが、極限状況でも崩れない人間関係の温度を丁寧に伝えています。怪魔との戦闘は派手でありながら感情の起伏が抑制されており、「慣れてしまう恐怖」を強く感じさせました。個人の生と世界規模の破滅が並列で進行する構成が、読後に重い余韻を残します。