本作の魅力は、「孤独な少女が自立し、他者を救う力と意思を持っていく」ストーリーと、それを描いていく時系列の丁寧さにあります。
主人公・灯璃は、どこにも居場所を持たなかった孤独な少女です。そんな彼女は、暁斗、火威との出逢いがきっかけで、少しずつ、自分の「意思」や「生きるための力」を育み始めていきます。
暁斗の慈悲深さと、火威や友那のまっすぐな強さ、ほかにも心強い仲間たちとともに過ごすことで、灯璃は「自立」していきます。その繊細な機微や生活の過程を、本作は過不足なく懇切丁寧に描いています。例えば、第四章第37話「痛み」では、月経の痛みを耐えるしかできなかった彼女が、仲間からの手当を受けたことで、今度は自ら他者へのケアができるように、成長していきます。このように、自分の弱さや苦しみを痛感しながらも、ひたむきな努力と成長を重ねる灯璃。彼女の姿を、読み手は自然と応援したくなることでしょう。孤独を経て、成長してゆく灯璃が行き着く願いと結末を、ぜひ、ご自分の目で見届けて頂きたいです。
また、彼女のような「孤独」や「息苦しさ」を抱えているかたには、きっと共感できるものがあると思います。人との繋がりや存在意義が希薄に思えてしまう現代の人々にとって、本作は孤独を優しく癒し、そこから前を向いて生きていく力を与えてくれるものだといえます。
灯璃とともに、少しずつ踏み出していきたい。そんな気持ちへ導いてくれる、まさに「ほしあかり」のような作品です。