終末世界と神話的存在を扱いながら、物語の軸が「破壊」ではなく「寄り添い」に置かれている点が強く印象に残りました。フェンリルの圧倒的な力と、ティアの無邪気さが並走することで、緊張と安らぎが同時に立ち上がっています。戦闘や能力描写は派手でありながらも、感情表現は抑制されており、行動の一つ一つに説得力があります。特に「半歩前に立つ」という反復表現が、守る側と守られる側の関係性を静かに深化させています。世界が壊れているからこそ際立つ、小さな会話や仕草の積み重ねが物語を強く牽引していました。