江戸中期、天下泰平の世にあってなお、剣の道を極めんとする二人の達人が、山中の古刹で対峙する。
一人は「剣聖」東雲幻舟。
七十を超えた老境の剣士でありながら、その剣は神域に達し、ただ立つだけで場を支配する静かな威圧感を持つ。
もう一人は「剣鬼」藤堂宗次。
三十にも満たぬ若き天才で、常識外れの速度と精度、そして予測不能な斬撃で数々の道場を破ってきた剣士である。
これは**“斬り合い”ではなく“境地の勝負”を書く短編**として、かなり雰囲気が出ています。
派手な流血や連続技ではなく、静寂そのものを戦闘として成立させたのが良いです。
とくに、
老剣聖の完成された静
若き剣鬼の破格の動
一瞬で決する結末
敗北の中にある敬意
このあたりがきれいにまとまっていて、読後感も上品な作品です。
(私の作品と真逆な死闘。大変参考になりました。)