感染という言葉は主に病気に使われる。この物語にも病気が登場し、感染する。だが、この物語においては果たしてそれだけの意味だろうかと考えてしまう。敢えて示したくはないが、思想、社会、そして感情--実は様々な『感染』を扱っている作品なのではないかと思う。ぜひ、騙されたと思って(?)感染していただきたい一作。
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差別、貧困、テロ思想といった現代的な問題を、キメラ禍により獣人化するという設定を通して静かに突きつける短編。偏見がいかに人を追い詰めるか、暴力の連鎖や、テロの論理を描きつつ、それでも人を信じてしまう弱さに惹かれました。主人公が自分を犠牲にしてでも守ろうとしたものは、未来そのものだと感じました。救いは一瞬でしたが、その一瞬があるからこそ、希望を否定しない結末が心に残りました。
短いながらに、色んなテーマが隠されている短編です。
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人は、自分と違うものを排斥したがる生き物です。この物語に描かれている空気感は、別にファンタジーじゃありません。日常どこにでもありふれたことなんです。だからこそ、それに抗う主人公と女の子が美しいのだと思います。