本作は、一見すると王道の追放ファンタジーですが、その裏に隠された設定の深淵に驚かされます。
大通りを走る自動車や、ギルドの魔力測定器。
中世ファンタジーの皮を被った、高度な魔法文明の残滓を感じさせる世界設定が実に面白い。
主人公が属性変換に失敗し、純粋な魔力放出を極めていく過程も、実はこの世界の魔法体系の根源に触れているのではないかと考察してしまいます。
三つの満月が重なる夜に転生し、覚醒したクライド。
その瞳に映る魔法の真理は、既存の現象魔法や物質魔法を超越した何かになる予感がしてなりません。
脳内画像処理という異能に近い制御術が、今後どのように戦場を支配していくのか。
単なる無双に留まらない、知的好奇心を刺激するディティールの数々に、今後の展開を注視せざるを得ません。