この世界観が楽しすぎて、すごく新鮮な感動を覚えました。
主人公のレイナは「あたため女優」なるものを生業としている。
その職業とは一体何か?
異世界転生モノのストーリーにおいては、「ちょうどよく成長した段階」から第一話が始まるパターンが多い。
でも、「それより前の年齢の時」は一体どうしているか。
幼少期から地道に鍛錬を積んでいく「無職転生」とか「転生したら蜘蛛」みたいな話だったらいいけれど、いい感じに成長して「チートとして気持ちよく動ける部分」からスタートする場合、どうしても「成長中の段階」が邪魔になってしまう。
そこで、「本来の転生者」の代わりに「その物語の主人公」の役割を担うのが、レイナの仕事。
つまり「異世界転生モノ」のストーリーがホットな状態から始まれるよう、物語を「あたためる」のが生業となっている。
そして、物語は基本的に「台本に沿って演じていく」というような感覚に。
この辺りの手触りが他の異世界モノにはないオリジナリティに溢れていて、もう楽しくて仕方ありませんでした。
そんなレイナの苦労。「台本付き」なので急遽変更になるという役者ならではの苦労も描かれ、三谷幸喜の「ラヂオの時間」とかみたいな楽しさも出てきます。
最後の最後まで、「半分作り物」みたいな異世界だからこその面白さに満ちた作品で、オチの文章を読んだ時にはクスっと笑わされること必至。
斬新かつ楽しさいっぱいのファンタジー作品、是非とも読んでみてください!