現場の過酷さ。どのような現場にも、過酷な部分はあると思うが、繁盛している店の洗い場はなかなかに過酷だ。洗い場という見えない穴に凝縮した描写が圧倒的だと感じた。善意や努力では埋まらない構造的な疲弊。湿気や音、皿の重なり、調理場からの罵声。全てが身体感覚で迫ってくる。淡々とした筆致だからこそ、辞めていく人の気配が恐ろしく現実的。アライグマは、果たして救いなのか。破滅の第一歩なのか。ふざけているわけではなさそうだ。続きから目が離せない。