第3話 交渉してみた

とりあえずキン●ョールのデザイン画見せてください。」

マリアからデザイン図を受け取る。

(ダメジャンこれ。背中に背負うの?重そうだし。なんか棒みたいなのの先から液体出るのかな?ジェットじゃないじゃん。)

小一時間ほどマリアに説明しながら説教もかましてみる。

「さっきのヘーパパパスとかいう奴に頼んでよ。」

難しい顔をするまりあ。怯えも交じっているような。

【・・ヘーパイストス様です。あの方は伝説級の神様であって、本来私が気軽に頼みごとをできるお方ではないのです。何とかこのデザインでお願いできないでしょうか?】

秒で拒否する。

「無理です!さっき説明したでしょ!手になじむガンタイプの引き金は譲れません。

ジェットはロマンなんですよ。そのデザインだと噴霧器背負ったおっさんじゃないですか。」

【そうですか・・背負うのは我慢していただけませんか?手になじむようには頑張って頼んでみますので・・】

「背負うって、そんな溶液必要なの?ハンディータイプでシュシュっと退治できないの?」

【無理だと思います。ベルゼブブは体長2メートル弱…】

「嘘だろ!!!」

食い気味で叫ぶ。

「俺が倒してるの1センチくらいだぞ!ハエの王って言ったって育ちすぎだろ!無理無理!なんで俺呼んだの!」

【勇者様がスキルもちでS級だからです。あなたならできます。】

(これ無理だろ!どんだけジェット吹きかけなきゃならんのよ。死んじゃうよ。もう死んでるんだけど)

詳しく話を聞く俺。

どうやらとんでもない魔法をぶちかましたり、相手を腐らせたり、病気にする呪いも使ってくるとのこと。しかも空も飛べるし早いらしい。

小一時間ほど考え込む俺。

マリアに聞く。

「瞬間移動とかの能力くれないの?こういうのってお約束でチート能力くれるじゃん。」

【転移魔法はありますけど勇者さまは魔力が無いので使えません。

ちなみにアイテムボックスも魔力が無いので使えませんよ。

ベルゼブブ対策の溶液は背負って運んでいただくことになります。】

(えっ!俺って一人で魔王倒しに行くの?なんで)

「普通、賢者とかヒーラーとかタンクとアタッカーだっけ?パーティー組んでいくんじゃないの?

その後ろに俺ついていけばいいじゃん。

アッ、そうだ、パーティーのメンバーのアイテムボックスに噴霧器入れて運んでもらうか!」

難しい顔のマリア

【実を言いますと、転生先の討伐者一行は魔王の魔力が強すぎて魔王城に近づけません。

完全にビビってます。

勇者様が召喚されたのは何かしらの意味があるとしか思えません

世界を救うのはあなたなのです。】

(しるかー!!無理だろ!俺、動物も殺したことないんだぞ!殺して食ったの魚くらいだわ!まいったな…)

一応聞いてみる。

「断ったらどうなるんですか?」

【元の世界に戻っていただくことになります。】

(俺、頭割って死んじゃってるんだけど!ますますまいったな・・・)

再び小一時間ほど悩む俺。

マリアに頼んでみることにする。

「ヘスパパスとやらに、加速装置的なの作ってもらうことできない?

モノ作りの神様なんでしょ?パパス。

俺、剣とか槍とか弓とか使えないから逃げ回りながら魔王城いくよ。

魔物にあったとしても殺せないと思うし。

確か時間を操る神とかいなかったっけ?

そいつに言って、未来の地球で開発されてないか調べてもらえば?

ト●タ自動車とかデン●ーとかパナ●ニックとかが作ってくれるかもしれないし。」

目を丸くし驚いた顔のマリア。

【意味がほとんどわからないのですが、時を操る神様ですとクロノス様ですね。

ヘーパイストス様とは仲が良いと伺っておりますが、私ごときが気軽に頼みごとをできるお相手ではないのです。何とか溶液背負う方向でお願いできませんか?】

ちょっとイラつく俺。

「だから!無理だって言ってるじゃん!

俺も必死で考えてるの!

俺がパパスとクロスとやらに直接説明するよ。

まりあじゃ、さっき言ったこと説明できないでしょ!

ジェットをガンタイプの引き金にしてってのも説明できないでしょ!

端末みたいの貸して!!」

泣きそうな顔でおろおろするまりあ。

「早く!!」

泣いてしまった。

(強く言い過ぎたかな・・・)

「ハエの王、倒したいんでしょ?俺、結構働き者だよ」

マリアは覚悟を決めたようだ。

【私が電話いたします。】

(電話なのかよ!最初から言えっての。)

まりあは震える手で端末を操作して、パパスへの連絡を行った。


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