魔王城の「会議室」手前にある受付を舞台に、世界の命運よりも「次に来る勇者の数」が切実な受付係の視点で描かれるシュールな短編だ。殺到する自称勇者たちの対応や、勇者同士の「物理的な話し合い」による被害報告を事務的に処理する姿が、可笑しくもどこか哀愁を誘う。正義のインフレや責任の所在の曖昧さといった社会風刺を、ファンタジーの枠組みで静かに描き出している点が最大の特徴である。
派手なバトルよりも、大きな物語の「裏側」や「日常」を描いた作品を好む層。「正義とは何か」という重いテーマを、軽妙な文章で味わいたい層におすすめできる。