第2話 涙

 眠れなくて、食欲もない日々が続いた。誰かに話を聞いて欲しくてカウンセリングに通う事にした。

 予約はキャンセルもあった為直ぐに取れた。

 私は楽しかった恋が終わった話をした。そこから立ち直れない事を話した。助けて欲しいと泣いてお願いした。誰も恨みたくない、憎みたくないのに私の中に悪魔が居る。何をしでかすか解らない恐怖……。どうしよう……。どうしたら良いのか解らないんです。

 カウンセラーの女性は何度も頷き私の話を聞いてくれた。


「相手の事を恨みたくない、憎みたくない…そうですか悪魔ですか……。でも、私にそれを話して下さった……本当の悪魔ならきっと私に助けなんか求めないでしょう」


「……」


「話して下さってありがとう。どうしたら良いのか解らないんですね。でも、こうして話して下さった、前に進めていますよ」


 優しく心に話しかけてくれる女性の声が私の悪魔を解かしていった。




 生きて行く為、ハローワークに行き次の仕事を探す。何でも良かった。私が出来る事であれば……。なので、仕事は簡単に見つかり有給が終わると同時に転職出来た。


 早く仕事を覚えたくて集中する。仕事に集中していれば彼の事も考える時間も少なく気持ちも安定した。

 仕事に慣れてきた頃、前の会社の人から連絡が入る。


「産まれたって。早産で1000グラム無かったって」


 それを聞いて手が震える。〝あー、私が不幸になれ!って願ったから……〟罪悪感で胸が潰れそうになる。私が赦せなかったから。そんな思いに潰されそうになった。それを友達に話すと、


「いつからそんな〝能力〟使えるようになったの?」


 そう言って笑った。


「そんなわけないじゃん!妊娠も出産も奇跡なんだから……ただその人達の子供は早産だったってだけ」


 友達は何をバカな事を言ってる?と笑いながら、それでも真っすぐ私の瞳を強く見つめた。 確かに、そんな〝能力〟は無いけど、私が不幸を願っていたのは事実で……。

 友達は〝因果応報〟そう呟いた。


 


 その後も私に元同僚から


「腸に穴空いていて手術したみたい」


「体重1000グラム超えたって」


 彼等の話題が私に届く度に苦しんだ。深く深く底が無い沼に沈んで行くようだった。

 

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