アブノーマリティ

なきぱま

第1話「アブノーマルの日常」

俺の名前は土方無川(ひじかた むけい)。

今は、いじめられているところです。


「最近元気ねぇよなぁ! また! 前みたいに! 呻いて見せろや!」


漆山松造(うるしやま まつぞう)。

大層偉い父親を持っているらしい。ツノは二本、よくある昆虫型だが、学校ではボス面をしている。


「最近持ってる金も少なくなってきたし、そろそろ別の財布見つけたら〜?」


未来生(みらい せい)。

シカのツノが一本だけ生えている、漆山の金魚のフン。可愛い顔をしているせいで周りからの人気は高い。だから、こいつとつるんでいるってことになる俺は、別の連中からも虐められる。


「……」


最後に立っているのが、聖正義(ひじり まさよし)。

名前だけ見れば、優しいやつみたいだ。でも実際は、他の奴らに命令して俺を殴らせている裏のボスだ。


先生が通りかかるタイミングを見計らって、助けるふりをする。

そのおかげで、周囲からの評価はやたら高い。


生えているツノは龍角(りゅうかく)と悪角(あっかく)が2本づつ。

対になった二本とが、やけに綺麗に揃っている。

主人公補正がかかりまくっているような見た目だ。


——ああ、こいつが来たってことは、もうすぐ先生が来る。


今日はこのまま、無抵抗で殴られるだけで終わりそうだ。

そう思った、その時だった。


正「あっ、そういや俺、もう内申点稼ぎ飽きたから。今日は適当にやっちゃっていいよ」


漆「おっ、マジでいいの? 今日テストで他のやつに負けたから、もっと強めに殴りたかったんだよなぁ!」


生「やだぁ〜!血とか汚い液体、こっちまで飛ばさないでよ!アブノーマル」


クラス中に、笑いが広がる。


そうさ。

どうせ俺は、底辺だ。


でも、家に帰れば家族がいる。

だから——まだ、耐えられる。

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