依然、過去日記

LAG-E

零日・過去日記

 長く続くか、今日で終わってしまうか、はたまた死ぬまで完結することがないのか、書いている私にもわからないこの文章は日記である。日記とは本来「日付順にその日の出来事や感情、考えなどを記録する個人的な記録」であり、飽きや病床に伏すなどの理由がない限り「完結」のないエッセイだ。幼い頃から文章の書き出し方が極めて稚拙であるという自認とともに成長の無さと稚拙な文章を読ませてしまったという罪悪感にさいなまれている。言いたいことはすべて口にする要領で、まず、先に書かなければいけないこととこの日記の内容についてのこと、そして私についてのことを書こうと思う。

 先に書かなければいけないこと。冒頭で日記の定義を示したのは、他でもなくこの日記がその定義に背いており、やはり混乱を招かないようにするためには説明が必要だと感じたからである。その定義に背くというのは、この日記では過去について記すということ。私の中では −この冒頭が序章だとして− この日記の完結が決まっている。序文で「死ぬまで完結することがない」可能性を示したのには、ここまで読んでいる方なら感じているかもしれないが、文章の書き方、書きたいことをまとめる力というのがいかんせん稚拙であるからである。長くなるのか、短くなるのかわからないそれの内容についてのこと。私のこれまで生きた人生の一部を切り抜いたものである。日記としてはあまりに遅く、自叙伝としてはあまりに短い範囲だが、私は敢えて「過去日記」としての書き方を選んだ。どれほど書き進めても過去のままである、言うなれば依然、過去日記である。そんな稚拙な物書きである私についてのこと。姓別は女で、名前は平坂ひらさかまとい、今年で29歳を迎える。普段は写真家として仕事を受けている。この日記はその仕事での出会いによって大きく変わった人生について。今日がその零日目である。

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