森のソロキャンプと運命のもふもふ 5

「レベル99、やばすぎる」


 生活魔法だけでも、十分チートだ。

 戦闘はできないけど、生活する分には最強じゃない?

 時間を確認。

 太陽の位置から見て、もう夕方かな。


 お腹も空いてきた。


「夕飯の準備しよう」


 カセットコンロを設置……する必要もなく。


「《調理》!」


 って言ったら、何か作ってくれるのかな?


 ……何も起きない。


 さすがに、材料なしで料理は作れないか。


「普通に作ろう」


 カセットコンロを《設置》で設営。

 クッカーの鍋に、ペットボトルの水を入れる。


「《点火》」


 カセットコンロに火がつく。

 ガス使わなくても点火できるのは便利。


 お湯が沸くのを待つ間、カップ麺の準備。


 今日は『醤油とんこつ』にしよう。

 異世界での初めての食事が、カップ麺。


 なんか間違ってる気がするけど、いいや。


「お湯が沸いた」


 カップ麺にお湯を注ぐ。

 3分待つ。


 この3分が、一番長く感じるやつ。

 待っている間、インスタントコーヒーも準備。

 マグカップにコーヒーの粉を入れて、お湯を注ぐ。


 いい香り。


 異世界でも、コーヒーの香りは変わらない。


「3分経った! いただきます!」


 一人だけど、ちゃんと手を合わせる。


 ずるずるーっ。


 うまい!


 異世界で食べるカップ麺、なぜか特別美味しく感じる。

 開放感のせいかな。

 それとも、空気が美味しいから?


「ごちそうさまでした」


 食後のコーヒーも美味しい。


 森の中で、一人でコーヒーを飲む。

 静かで、鳥の声だけが聞こえる。


 ……ちょっと寂しいかも。


「もふもふペットが欲しいなぁ」


 【もふもふテイマー&翻訳】の能力もあるし、森の動物と友達になれないかな。


 でも、もう暗くなってきた。

 今日は無理かな。


「《照明》」


 光の玉を複数出して、キャンプサイト周辺を明るくする。


 虫も寄ってこない。

 《防虫》の効果かな。


「快適すぎる」


 前世でインドア派だった私が密かに憧れていたソロキャンプ。

 まさか異世界で実現するとは。


 しかも、魔法付き。


「明日は、水源を探して、森の探索をしよう。それから、街への道も探さないと」


 でも、今日はもう疲れた。


 転生して、買い物して、テント設営して。

 結構ハードな一日だった。


「歯磨きして、寝よう」


 ペットボトルの水で歯を磨く。


「《清潔》!」


 体がすっきりする。

 お風呂に入ったみたいな爽快感。


 これは便利!

 水がなくても清潔を保てる。

 テントに入って、寝袋に潜り込む。

 エアマットのおかげで、地面の固さを感じない。


 快適。


 でも、ちょっと寂しい。


 前世では一人暮らしだったから、寂しさには慣れてるはずなのに。


 静かすぎるせいかな。

 虫の声も聞こえないし。


「明日、動物と友達になれるといいな」


 そんなことを考えながら、目を閉じる。


 異世界での最初の夜は、静かに更けていく――。

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