とある精神科の記録

 だから、私は狂ってなんてない。

本当に、本当に、お腹に赤ちゃんがいたの。

あの人との子供が!


 でも、あの女が私から奪ったの。

私の赤ちゃん……あかちゃん、あかちゃん、あかちゃん


 あの人とは、出会う順番を間違えただけで、不倫っていう形になっちゃったけど、私のことを愛してるって!奥さんよりも好きだって言ってくれたんだから。

お義母様も、男の子を産めなかった女なんかいらないって、私に期待してると言って可愛がってくれたのよ!


 私は、期待通りに男の子を妊娠したの。

あの人との赤ちゃん。可愛くて、愛おしかった。


 なのに、あの女が。それに嫉妬して、私の赤ちゃんを奪ったのよ。

病院で、ようやく産まれるって時に、急にお腹が絞れ出して、赤ちゃんが。消えちゃった。


 あかちゃん、きえちゃった。



 その後、意識を失って、目が覚めたら、体調不良で数日入院してることになってた。


 あの人とも連絡がつかなくなって、悲しくて、家に行ったの。会いに行った。


 そしたら、赤ちゃんを抱えているあの女にあった。


 あれは、私の子。私の子として産まれるはずだった子。


 一目見るだけでわかったわ、あれは私の赤ちゃん。


 返してよ!私の赤ちゃん!!!!

先生ならなんとかできるでしょ?ねぇ!!



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 患者がまともな受け答えができない状況になったので、ここで診察を終了しています。


 


 

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