この作品は、探偵ものやオカルト退治の形を取りながら、実際には「考える前に殴る」剛力珠子と、冷静なのに容赦のない珠音、そして巻き込まれ体質の三人組が、怪異も宇宙人もUMAもまとめて力技で突破していく、勢い全開の異能コメディだと思います。
冒頭、破格のバイトに釣られた三人が剛力事務所に足を踏み入れた時点で空気がかなり独特ですが、そこから金塊を持って山へ向かい、ネコミミ宇宙人と取引する展開で、この作品の「普通では終わらない」持ち味が一気に伝わってきました。
また、学校に広まった危険な降霊術が蠱毒のような状態になっているエピソードや、ヒキコさんを珠音が真正面から焼き払う場面、祓うほど強くなる禊喰いを珠子が拳で祓い切る話など、序盤から出てくる案件がいちいち無茶苦茶で、そのたびに「そう来るのか」と笑わされます。
一方で、ただ豪快なだけではなく、珠音と風巻家のやり取りや、風巻母とのババ抜き勝負のような場面では、異能バトルとは違う方向の面白さも感じられました。珠子の破天荒さ、珠音の危ういほどの優秀さ、そして常識人寄りの三人組が振り回される構図がうまく噛み合っていて、作品全体に独特のテンポが生まれていると思います。
怪異を理屈で解き明かすミステリーというより、無茶苦茶な超常現象を、規格外の女たちが力で突破していく勢いそのものを楽しむ作品です。テンポの良い異能コメディや、常識外れのキャラクターが暴れ回る作品が好きな方には、かなり刺さる一作ですね😉