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この世の中はバイアスで溢れかえっている。だからこそ、常に目的を忘れる事なく作業を進める必要があるのだが、人間、そう上手く出来てない。出来てないからブレてしまう。ワーキングメモリが関係しているのかも知れないが、問題はそこではなく。

そんな事を考えながら今日も化粧水を塗る。


リビングで寛いで居ると、さも当然の様にオレの隣に陣取って、ゴロゴロと構ってモードに入っている。折り曲げた膝上に自分の頭を乗せようとする。このまま逃げると持ち上げた膝が彼奴の頭上にめり込んで、戯れを超えた暴力になりそうなので、そのまま受け入れた。

顔が赤い。其れはきっと風呂上がりの熱が引いてない事以外にも理由があるのかも知れない。

「化粧水塗ってるんだけどさぁ、あれ自体にそんなに深い意味は無いんだって。後から塗るクリームとか、その成分の浸透をしやすくする為のものなんだって」

女であるせいか。はたまた、偶々気が向いたからか、自分の顔立ちをよく鏡で見ては、分析するのを今は好む。今日も何か気にしてか、そんな話題を振ってきた。

「ぶっちゃけクリームだけでも十分なんだって。それでも塗ってしまうのは、私の思考が停止しているから。塗っている自分が好きだから」

何故、其れを買うのか。皆持っているから。何故其れをするのか。こんな意味があると思って。けれども本質を見知ってやる人間はそう多くはないのだろう。

「まぁバイアスの一つなんだけどさ、でもバイアスとか先入観とかないと、話が固まらないんだよ。ジャンクフードは栄養の偏りが凄まじい。だから食べるの辞めよう。本当に? なんで考える人は、そんなに多くない。他にも考える事が多すぎるから」

「お前が言うジャンクフードが、ハンバーガーやフライドポテトを上げているなら、ハンバーガーはレタスやトマト、パテが入っているからそうでもない。フライドポテトの栄養素の殆どの栄養素が糖類だとすると、米と変わらない」

「そ。でも食べない。我慢するという行動に繋がる。そうやって人間栄えて行けばいいんじゃない? 私は追い詰められないとちゃんとしないから、追い詰められたら考えるけど」

「ケツに火をつけさせてやろうか?」

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