まず、謎めいたタイトルに惹かれました。
どういう意味だろうと思って読みはじめましたが、最後にその意味が判明します。
ストーリーに関しては、とにかく凄まじいです。
主人公の女の子は両親から虐待を受けていたせいで対人恐怖症になってしまったようです。
両親から離れて、独り暮らしをし始めても彼女の心の傷は癒えませんでした。
そんな彼女の転機となったのが、バイト先の喫茶店で会ったユウくんでした。主人公の教育係だった彼はとても優しく彼女に接しました。
主人公は彼のことが好きになり、後に二人は付き合うことになります。
やがて同棲もしだして、幸せな日々が訪れますが、それも長くは続かなかったようです。
幼い頃の傷はなかなか消えないもので、それはずっと主人公に暗い影を落としているような気がします。最後の行動も昔のトラウマが影響しているんじゃないかと思います。
グロテスクで、悲しい物語ですが、しかしだからこそ美しい、そんな作品でした。是非ご一読を。
真っ先に目に入ってくる意味の分からないタイトル。最後まで読み終え、このタイトルが意味を持つようになったとき――あなたはきっと慄然とすることでしょう。
描写がとことん生々しく、グロテスクな展開が描かれます。そのため、そういう描写が苦手な方は注意が必要かもしれません。
しかしこの描写が結末へと繋がりを見せる瞬間、「やられた」と思わず叫びたくなります。
餡団子様のミステリーと文学の間のような作風は、さながら米澤穂信先生を連想させます。冷たい筆致と衝撃のラストを共存させる手腕は大変見事です。
わずか5000字とは思えぬ濃厚さ。短編ならではの鋭い切れ味を体感したい方は是非ともご賞味ください……!