魔術とは、世界や肉体との「対話」である。この一節に本作の美学が宿っています。師弟の対話、相容れないもの同士の対話、過去との対話――対話という魔法が物語を紡ぎます。物語としても、伝説の娘アリスと、二千年の孤独を背負う大悪魔マルクス、「血への囁き」と称される魔術描写は、知的で震えるほどです。本物のファンタジーを求める方に、ぜひ読んでほしい一作です。