読み始めた瞬間からハートを掴まれました。
鳴宮琥珀氏の『君を照らすもの』
これは、静かな温かい光が胸の奥に差し込んで来るような物語です。
主な登場人物は、太陽くんと深月さん。そして太陽くんの親友であり良き理解者、彗星くん。それぞれ個性的なヴィジュアルを持つ美しい若者たちです。
もちろん、BL小説です。しかも界隈でも人気の、年下攻め。
さらに (ここが大事!)、おじゃま虫的な女性キャラはいっさい出てきません。混じりけ無しの100%ピュアBLです。
ということは、間違いなくexcellent‼! ☆☆☆ でしょう(^^)v
何と言っても、太陽くんと深月さんの関係性が尊すぎるのです。
触れそうで触れないもどかしさ、交差する視線やすれ違いに否応なく高まる緊張感。これらの機微を丁寧な筆致で描き出す鳴宮琥珀氏の文章は、まるで光そのもの。柔らかく温かく、時に痛い。でも、その痛みすら愛おしい。
タイトルにある〝照らす〟の意味が、読み進めるほどに深く心に響いてくるのも最尊でした。
誰かを照らすこと、誰かに照らされること、互いに照らし合うこと。それがこんなにも切なくて美しいなんて!
読後、胸の奥に灯った光がいつまでも輝き続けています。
青春物語としても一級品です。
推し作品がまたひとつ増えてしまいました。
静かに心を揺さぶられて、気づいたら深く引き込まれている。
そんなふうに、じわじわ効いてくるタイプの恋愛作品でした。
最初は、少し不器用で距離のある二人の関係から始まります。
でも読み進めるほどに、その距離の理由や、それぞれが抱えているものが見えてきて、「ああ、この人たちは簡単に近づけないんだな」と納得させられるんです。
この作品の魅力は、ただ甘いだけの恋愛じゃないところだと思います。
優しさや温かさの裏に、しっかりと、過去や痛みがあって、それでも人を好きになることを選んでいく。その過程がとても丁寧に描かれていて、何度も胸がぎゅっと締め付けられました。
特に印象的なのは、言葉の重みです。
大げさなセリフではないのに、一つ一つがしっかりと心に残る。
想いを伝えることの難しさや怖さ、それでも伝えたいという気持ちが、すごくリアルに感じられました。
そして何より、関係性の変化が本当に自然なんです。
少しずつ距離が縮まっていく日常、何気ないやり取り、すれ違い……。その積み重ねがあるからこそ、ある瞬間に訪れる変化が、とても大きくて、そして尊く感じられます。
だからこそ、気づけば夢中になっていて、読み終わった後には温かい余韻が残る……そんな作品でした。
「人を好きになること」や「誰かと向き合うこと」の意味を、改めて考えさせてくれる一作です。
じっくり物語を味わいたい方には、ぜひ読んでほしい作品だと思います!
メンタルセラピスト・小鳥遊深月は顧客の一人に家の前まで来られてしまい困っていました。そこへバイト帰りに通りかかった主人公・諏訪太陽が深月を助けるところから二人の物語は始まります。
太陽は大学生で一人暮らし。しかも助けた深月は隣の部屋に住んでいるというからどこか運命的な出会いを感じます。
接していくうちに5年年上の深月に好意を抱いていく太陽。
月と太陽なんて名前が何やら特徴的ですね。特に以下の三名が特に印象的で名前に込められた意味が素敵だと思いました。
太陽の包容力は深月の笑顔の裏に潜む心の闇を照らすように、彼の陽の光となっていきます。
そして深月の言葉は諏訪の胸に優しく舞い降りる、静かで清冽な海に湛える月を思わせます。
それから太陽の幼馴染・夏山彗星は派手外見とは打って変わり、太陽と深月の不器用な願望をのせてふたつの星の架け橋となって流れていく、そんな気持ちで読めました。
なかなか心の距離を縮められない月と太陽。焦ったさやすれ違いや誤解はあってもやっぱりこのふたりがいいねって流れる星が教えてくれる、そんな甘くて優しい物語です。