『紅葉は君の色』は、ひとつの恋を「季節の移ろい」と重ね合わせて描いた、静かで痛みの残る青春恋愛小説です。
夏のきらめき、冬の不安、春のすれ違い、そして秋の決定的な別れ……物語は派手な事件ではなく、誰の心にも起こり得る“誤解”と“言葉の選択”によって進んでいきます。
本作の魅力は、主人公の感情がとても生々しいこと。
信じたいのに疑ってしまう弱さ、好きだからこそ視野が狭くなる未熟さが、決して美化されず、等身大のまま描かれています。
そのため読者は、主人公を責めきれず、同時に自分自身を重ねてしまうと思うんです。
情景描写も秀逸で、銀杏並木や花火、紅葉といった自然の色彩が、登場人物の心情をそっと代弁します。
ラストに残る一枚の紅葉が象徴するものは、読後もしばらく胸の奥で色を変え続けるはずです。
甘さと苦さが同居する、忘れられない恋の物語を読みたい方に、ぜひ手に取ってほしい一作です!
はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る
石川啄木の第一歌集『一握の砂』に収録されたこの名歌は、国語の教科書にも頻出であり、清貧・赤貧に喘ぐ労働階級の悲哀を見事に表現した、心に迫る作品として知られている。
しかし、石川啄木の人生を紐解くと、その素行の悪さに仰天することとなる。仕事も転々、家庭は放置、借金しまくった上に踏み倒し、そのお金で女遊び!
さて、本作の紹介としては、いささか、遠回りをし過ぎたか!?
ひとこと、言いたいのは、女性と付き合うのなら、よく、「じっと手を見る」べし、ということである。
本作を読めばその意味が分かるであろう。