三、もう一人の呪いの子
知り合いからの手紙から届いたのは、今にも雨が降りそうな日の夕方だった。異国に住んでいる咲陽という少女も呪いの子で五感こそ失っているが、急げば間に合うかも知れない。ということだった。すぐに飛鳥に知らせた。飛鳥はもう目が見えない。匂いも分からない。残った五感で懸命に生きていた。
「京ちゃん。そんなに急いでどうしたの?」
「飛鳥。呪いが解けるかも知れない。」
「もう一人の呪いの子が見つかったの?」
「そうだよ。異国の小さな集落に住んでる。咲陽さん。今なら間に合うかも知れない。行こう。」
「京ちゃんと旅に出るの?楽しそうね。」
そうして、咲陽さんの元へ旅に出た。長い長い旅路だった。咲陽さんの20の誕生日が過ぎても、咲陽さんはどうにかこの世に留まっているらしい。どうか間に合ってくれ。
「飛鳥さん、京雅さん。ここまでありがとうございます。ですが…………。」
「咲陽さんは?早くしないと……。」
「咲陽は、今朝、死にました。もう呪いを解く術はありません。死んだ時に紋章も消え、呪いも消えました。」
「そんな……。」
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