第44話 きいろい なつの再起⑦


「こんなの、■■■先生らしくないですよ」

 ​

 スマホの画面に映し出された一通のDM。送り主は、前の俺が「切磋琢磨しましょう」なんて甘い言葉で釣り上げた初心者作家の一人だ。

 ​――ふん。らしくない、か。

 ​最高だ。これほどまでに心地よい言葉はない。

 彼らが知っている「■■■」という虚像が壊れ始めた証拠だ。

 前の俺が、読者の顔色を伺いながら必死に守り抜いてきた「優しくて健気な作家像」。それが足元から崩れ去る音を聞きながら、俺は冷たい笑みを浮かべた。


 ​「そうだよ。お前たちが崇めていたあの男は、もう死んだんだ」


 ​

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