繋がれた二つの星。その上に君臨する帝国の王者。
権力の頂点に立ち、もはや並ぶ者なき存在。
それでも、その至高の存在は、たった15歳の少年にすぎなかった。
彼にとって、掌握すべきすべては重すぎる荷物だった。
けれど後戻りは許されず、ただ偽るしかなかった。
その偽りが、一匹のうさぎによって、揺らいだ。
帝王である少年は、誰も気にとめぬ片隅で、少しずつ人へと還っていく。
彼が名付けたあのうさぎのように、柔らかく、優しくなっていく。
帝王としては、もう成長できない。未来の統治は、後世の正誤の評価に委ねられるだけ。
しかし、人として成長する少年は、これから無限の可能性に満ちた時間を迎えようとしている。