ナンパ待ち
じゃせんちゃん
岬の女
ナンパスポットとして有名なとある岬で女が岩場に腰掛け、時折歌を口ずさみながらのんびり沖を行く船を眺めていた。
「あーあー、誰か良い男は居ないかなぁ」
「アンタまたココにいたの?」
岩場にやって来た友人が声をかける。
「だって、手っ取り早く男が欲しいならココ以上にベストな場所は無いじゃない」
「相変わらず節操が無いわね、前の男はどうしたの?」
「あー、あの人は捨てちゃった、だって直ぐに冷たくなるんだもん」
「まぁ仕方がないよね、男なんてそう言うモノだし」
「そう言うアンタも新しい男が欲しくてココに来たんでしょ?」
「まぁね」
しばらく二人で雑談していると、大きな音を立てて一隻の船が岩にぶつかった。
船体に大きな岩が食い込み穴が空きみるみる傾き沈み始め、船員達が荷物を捨てたり海へ飛び込んでいる。
「待ってました、早いもの勝ちよ」
「ちょっとズルい、抜け駆けするな」
彼女達は素早く海に飛び込んだ。
この岬は非常に見通しが悪く、行き交う船が、岩礁に乗り上げたり沈没する事も多く、何人もの犠牲者が出ている航海の難所として有名なスポットだ。
運良く助かった船乗り達は口を揃えて奇妙な物を見たと言う。
「ありゃ人魚だった、水中を物凄いスピードで泳いで、目の前にいた若い男を水中に引きずり込んだん」
彼女達は今日も岬で『ナンパ』を待っている。
ナンパ待ち じゃせんちゃん @tya_tya_010
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