人間は、歴史という名の積み重ねの上に立って生きている。そんな事を感じさせてくれる作品だと私は感じた。主人公の純一は特殊なスキルこそ持っているものの、決してチートではない。普通に殴られたら痛いし、死ぬ時は死ぬくらいの戦闘力しかない。純一の最大の武器は、歴史を愛する者としての知識だけだ。ある時は、自分より遥かに格上の化け物相手に、今の日本でもお馴染みの『アレ』で逆転する。ある時は歴史オタクとしての知識で、本作の黒幕たる神宮寺のハッタリを見破る。こうして見てみると、本作は『人間讃歌』なのだろう。どうしょうもない様な絶望に、人間としての力で立ち向かっていく。そのカッコよさは、歴史オタクもそうじゃない人も惹かれるものだと断言したい。
出生の事情によって深い歴史の知識を持つ主人公が、改変させられた歴史を修正するために戦う時代小説作品です。
主人公は模試で万年2位の男子高校生。
常に超えるべき1位の影を追っていましたが、出会いは唐突に訪れます。
転校と称して主人公の前に現れた男は、感情一つで歴史の改変が行える神の如き存在だったのです。
彼が主人公の前に現れたのは、醜悪な遊びに招待するため。
有無を言わさずタイムスリップをさせられた主人公は、メソポタミア文明へと飛ばされてしまいます。
けれど、そこにあったのは、あり得ない文明進歩が引き起こされた都市の姿。
そして、進化の代償に、悲鳴を上げる土地と民の姿でした。
歴史を深く知るからこそ、こんな改変は許せない。
主人公は知識と微かな経験だけを頼りに、歪んだ歴史に挑みます。
果たして彼は、歴史を正しい姿へ戻すことができるのか。
ぜひ読んでみてください。