雨の夜、泥水の中で死にかけていた人間の少女・イノリを拾ったのは、気高く冷徹なはずの吸血鬼・ルキでした。
「死なれたらシーツを替える手間が面倒」「お前は非常食だ」とあくまで冷たい言葉を投げかけながらも、その行動は驚くほど過保護で不器用な優しさに溢れています!
本作の最大の魅力は、なんといってもルキの愛すべき「ツンデレ」っぷりです。
何百年も生きる吸血鬼が、病弱なイノリのために友人から教わりながら慣れない「お粥」を台所で炊く姿には、思わず口元が緩んでしまいます。「非常食」という口実でイノリを自分の城に留め、彼女が生き続けるための明日を許すルキ。
圧倒的な強者である吸血鬼が、か弱い人間の少女を「どうしても死なせたくない」と必死に生かそうとするその不器用な愛情表現が、最高に尊くてたまりません!
命の長さも種族も違う二人が、冷たい古城で少しずつ寄り添い、不器用ながらも確かな絆を育んでいく過程に胸が温かくなります。
切なくも甘い、極上の救済百合ファンタジーを読みたい方に全力でおすすめしたい傑作です!