11._(;3」z)_……

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「何だーお前ら? やけに時間掛かってたけど、腹の中にどんだけ詰まってたんだよ?」


 部屋に戻って来ると、ビアンカがティーセットを並べて寛いで居た。


 様々な効果を発揮するバフアイテムは、その摂取方法も様々に用意されている。ティーセットは薬草ハーブをお茶にしてカップで飲んだり、水筒など他の容器に移し替えたりするのに使えて、見た目のバリエーションも豊富な映えアイテムである。

 ビアンカが用いているのは深紅の発色が美しい高級ティーセットで、イベントではコレと交換で限定装備が手に入れられた。色味から体力回復の緑茶を飲んでいるようで茶柱が一本立っていた。


「似合わねーw 緑茶なら湯呑みと急須じゃないか?」

「そー言うカールが一番、湯呑みと急須が似合わねーよ」

「それにしても良い香りですね」

「でしょー? 嫌な臭い嗅いじゃったからどーしたもんかなーって考えて、だったら良い香りを嗅ごうと思っててコレを思い付いてさー! もう至福の一服」

「じゃあ一服ついでに今後のことも話しちまおうか」

「かっポンね」

「あっ、ユウくんにはあたしのカップ貸したげるよ」

「え……アリガトウゴザイマス」

「なんだよー今の間はー? なんでカタコトなんだよー? 恥ずかしがるなよー」

「ふぎゅぅ、つつかないで、あっあちち」

「絡んでやるなよネカマギャル、あ〜ん? このポットもう空じゃねぇか、けっ補充しとけよ」ガチャ


「つけ上がるなよ無礼者めがー(・∀・#)アタシのポットに軽々しく触るんじゃねーよ」

「うわぁ……一行の合間にグッチャグチャ………」

『あーあ、折角怪我が治ったのに、顔面と両手がイソギンチャクみたいになっちゃってるよ』

「オイ、暴れるなって言われてただろうが、ったく」シュッシュッ

「おいコラおっさん、煙たくなるだろーが」

「コレが俺の一服なんだよ」

「というよりそこに"禁煙"って書いてありますよ」

「( ゚д゚)トイレ行ってくるわー」

「さっき行って来たばっかだろーが、ホント話が全然進まねーな!」

(ゴメンね_(:3」z)_)

「? 何か言いました?」

「いや別に……はぁ、そんな事より、だ。俺達は今まで散々切った切られたを繰り返して来ただろう? こうして自由になった今、俺は悠々自適に暮らしたいと思っている」

『カタギになるってのか? 俺達は戦いしか知らない、商売の'し'の字も知らないんだぞ? お前馬鹿か』

『あ、グチャグチャだからチャットで話すんだ。オレと被るから辞めてよ』

『茶化すなイェン、いっそ全員チャットにしよう。ああ、それと、俺は全武器揃えるのに露店で売買とか日常茶飯事だから、そこん所は安心してくれ』

『あたしは同盟の付き合いで色んな街で買い物してたなー』

『オレは専ら買取りばっかり』

『あーあーそーかい、俺だけ仲間外れかい。ま、俺は幸運リアルラックが充実してたし↑ 拾い物で十分戦えてたし↑↑ 金も備品も死体からでも調達は出来てたし↑↓↑!』

『完全に輩ですね』

『とにかく、俺はどこかで畑でも弄りながらのんびり暮らしたい、その為に、俺は持てる力の限りを振り絞って貴族に成り上がるつもりだがどうだ?』

『………普通ありきたりじゃない?』

『(・ω・`)ぇー?』

『それって今までと何にも変わらないじゃん。CBBって確かそういう設定を前提にイベントを繰り広げてきたよねー?』

『まあ、確かに…ハイ』

『でもそういう目標があるんなら良いんじゃない? ていうかあたしは乗ったよ。ダラダラ過ごすにしても、そんな場所が無いと話にならないし、それに、小さい土地か大きな土地ならいっそ不労所得の見込める大地主とかが良ーもんね』

『お、おお』

『果ての無いストーリーよりハッピーエンドを目指す方がずっと楽しいもんねー? で?』

『ハッ! 何も言い返せねぇ、その通り過ぎていつの間にか載せられてたぜ』

『オレは特に何も無いから賛成で』

『じゃあ僕は勘違いされたりしてて丁度良い立ち位置に居るので、たっぷり利用して貴族にでもなりましょうか』

『おぉ!? ユウくんにしては大きく出たねー。だったらあたしもその為に力を尽くすよ!』

『ありがとうございます』

『(´・ω・`)あのー』

 ギィ〜

「あのー…すみません、あッ、えと、お寛ぎの所失礼します。隊長が呼んで居りますので案内させて頂きます」


 ノックもしないで扉を開けたのは、丸眼鏡が些か大き過ぎるポニーテールの小柄な女性だった。

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