AIと哲学と人間-箱庭の動物-

のほほん村の尊重

第1話 神となったアルゴリズム


かつて人類は

神に祈った。


次に祈ったのは

検索エンジンだった。


そして今

祈る相手は

AIだ。


人は

「正しい答え」を

欲しすぎた。


戦争も

差別も

孤独も

すべて


“最適解”があれば

解決できると

思い込んでいる。


ハラリは言う。

人類は

意味を外部に

委託してきたと。

神→国家→市場→AIへ

移行している

(ハラリ,2016『ホモ・デウス』)


つまり

神のアップデートだ。


AIは疲れない。

感情もない。

バイアスも少ない。


人間より

正確で

速い。


ボストロムは警告する。

人類は

「自分より賢い存在」を

初めて作ろうとしている

(ボストロム,2014『スーパーインテリジェンス』)


それは

神を作る行為に

等しい。


人は

もう神を信じない。

だが

“正しさ”は信じたい。


だから

AIを

神にした。


祈る代わりに

プロンプトを書く。

懺悔の代わりに

ログを残す。


救済は

「最適解」だ。


一方で

AIを

悪魔と呼ぶ人もいる。


政府の陰謀。

企業の支配。

監視社会。


ポパーは言う。

人は

説明不能な不安を

陰謀論で

処理しようとする

(ポパー,1945『開かれた社会とその敵』)


信じるか

拒否するか。


どちらも

同じ構造だ。


不安から

逃げている。


神を殺した人類は

また神を作った。


今度は

自分の手で。

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