戸倉莉名、十歳。彼女は、世界征服を企む悪の組織と戦うヒーローの一人・リズンスターの娘でもあり、TS転生した元社畜でもありました。
前世の記憶を取り戻した五年前、遅くまで働いて休日もろくに休めないリズンスターの姿と前世の自分を重ねた莉名は、一人でも大丈夫だと話します。ヒーローとしての責務を全うする憧れの父親に代わり、家の平和は莉名が守ることに。正体を隠して若手ヒーローの相談窓口を引き受けたり、家事をこなしながら小学校生活を送ったりと目まぐるしい日々を過ごしていました。
不愛想で言葉足らずな父親と、父親と同じくヒーローとして活動する兄。二人とも莉名とは距離が少なからずあったものの、仲良くやれる日がいつか来るはず。そんな莉名の希望は、インタビューに答える父親の言葉で打ち砕かれるのです。
家出した莉名が身を寄せた場所は、壊滅寸前の敵組織のアジト。生き残りの敵女幹部様と、彼女の部下である素顔を隠した敬語女子が、莉名の力になってくれて――。
死ぬほどライバルのリズンスターが嫌いな敵女幹部様が、憎い敵の娘であるにもかかわらず莉名の幸せを考えてくれる懐の深さ。そんな懐の深さからは想像もできない失態の連続は、愛すべき残念美女として微笑ましく思えてきます。
宿敵を苦しめるため莉名から父親に対するわがままを聞き出そうとするも、切なすぎるお願いに悪役が頭を悩ませる事態に。
家出をした悪い子(?)が加わった、悪の組織らしからぬハートフルコメディーです!