雨男 ✕ 雨女
たんぜべ なた。
第1話 雨男と雨女
「私、雨女だから…」
そう言って、涙で潤む瞳をそのままに、笑顔を見せる『春日 ルリ』。
彼女は俺のクラスメートであり、遊び友達『飯田 彰』の幼馴染。
先程、フラれたばかりのお嬢さん。
「俺だって雨男だぜ。」
作り笑いで答える俺は『園田 賢吾』、およそモテ期なんかとは無縁のブサメン。
「湿っぽい女だ!…って、人の話を聞けぇ!」
どうやら合いの手が早すぎたようで、素早いツッコミが返ってくる。
茶髪でポニテ、いつも元気でハキハキとして、お友達もよりどりみどりのお転婆さん。
「まぁ、そんだけ元気だったら問題なさそうだね。」
テーブルに乗ったコーヒーに口をつければ
「そうよ!
あんなお馬鹿さん、こっちから願い下げよ!」
彼女もオレンジジュースに手を伸ばした。
まぁ、今しばらくは引っ張るだろうけど、そのうち何とか…
「で、アンタは私に何の用だったの?」
意表を突く直球
「はっ?」
思わずバットを振ってしまった。
「だって、私達の痴話喧嘩終わるの待っていたんでしょ?」
(いやいや、そんな事は…。)
「な、何言ってるんですか。」
よしよし、心の声は漏れずに済んだ。
「おやおやぁ、何だか言い淀んでない?」
イタズラっぽく語りかけるルリさん。
「ああ、もう解ったよ!
付き合って欲しかったんだよ、ルリちゃんに!」
(そんな事言われましても…。)
しまった!!
本音と建前が入れ替わっちまった。
ルリちゃん固まる。
俺も固まる。
- しばらく、お待ち下さい。 -
「じょ、冗談よね?」
赤面して慌て始めるルリちゃん。
「本気だよっ!」
俺も顔から火が出る勢いだが、ここまで来たら止まれない。
「ちょっと、考えさせて。」
そう言って、自分の勘定を机においてルリちゃんは帰って行った。
外は雨も上がり薄日が差している。
「雨降って地固まる…てか?」
そんなつもりじゃなかったんだけれど…思わぬ方向で恋が動き始めてしまった。
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