虚を埋める旅

九 空虚

貴女への誓約

護り抜く。そう祈り、心内で誓約する。



何を?



まだ見ぬ番を



居るはずもないのに? 



どこかにいる確信はある



どうして?



そうでなければ、僕はただの怪物だ

孤独に肥大化した鎧が他者を寄せ付けず

下手に動けば、言葉を吐けば、壊してしまう化け物だ



知らないだろう?

与えられたことがないから


満たしたいだけだろう?

どう足掻いても埋まらない心の隙間を


ただの欲の幻じゃないか?



その全てをくれる貴女がどこかに居ると

その足音を感じている



化け物の癖に何ができる?

また傷付けるだけだろう?



だから、待つしかなかった

だから、信じるしかない

こちらからは触れられず

こちらからは多くを語れず


その人に触れられて感じる温度に、肥大化した孤独が溶け出せば


その人に与えられたままに、教えてくれたままに、自分の思う同じだけを注ぎ返せば


その先で、曝け出した命を貴女に


命枯れるまで、この渇きを潤し、空いた隙間を埋めた貴女に最大の愛を

最期の刻まで、護り抜くと

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