第4話 伝説への歩み
森を抜けた先に、小さな集落があった。
ホルスは人々の視線を感じながら、慎重に歩いた。
追放者としての孤独は続くが、力の自信が心を支える。
「誰だ……あの少年は?」
子供たちの声が、遠くから聞こえた。
大人たちは眉をひそめ、警戒の目で見つめる。
しかし、ホルスの瞳は揺るがなかった。
集落に現れた山賊の群れが、人々を脅かしていた。
村の防壁は弱く、逃げ惑う住民の悲鳴が響く。
ホルスは息を整え、胸の中で「強化」を唱えた。
力が全身にみなぎり、動きは風のように滑らかになる。
山賊が襲いかかる瞬間、ホルスは一歩も動かず構えた。
そして、右手を振ると、空気を裂くような音が森に響く。
木の枝が武器に変わり、数人の山賊を一瞬で倒す。
残った者たちは目を見開き、恐怖に声を失った。
「こ、こんな力……」
リーダーが後退するも、ホルスの足は止まらない。
強化された筋力と反応速度で、すべての攻撃を跳ね返す。
誰一人、彼に勝てる者はいなかった。
戦いが終わると、集落の人々は静かに近づいてきた。
恐怖と驚きの入り混じった視線が、少年に向けられる。
「あなた……強いんですね」
小さな声が、胸に響いた。
ホルスは微かに笑みを浮かべた。
「まだまだだ。これからもっと強くなる」
力を手に入れた少年の自信が、声に滲み出る。
これまで嘲笑した者たちへの、静かな反撃でもあった。
集落を後に、ホルスは旅を続ける。
道中、噂は広がり、少年の名が少しずつ知れ渡る。
「強化術士の少年が、森で山賊を撃退した」
その評判は、次第に伝説となりつつあった。
少年の歩みは止まらない。
孤独な修行と戦いが、彼を確実に強くしていく。
世界のどこかで誰かが彼を見守り、恐れ、期待していた。
逆転の物語は、まだ始まったばかりだった。
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