記憶にない当選品

なかむら恵美

第1話

年柄年中、風物詩(?)。

「発売中」テレビで仕切りに宣伝している宝くじ。初夢から、年末ジャンボ迄、それはそれはの種類がある。

宝くじの喜びではないにせよ(?)、大昔。わたしも当選者となった。

確率の女神が、微笑んでくれたのだ。但し、全く記憶がない。


妖怪アニメといったら、鬼太郎。断トツ「ゲゲゲの鬼太郎」である。

白黒版を、あなたは見た事があるか?

メチャクチャに怖かった。ちびりそうでもあった。勿論、最初の放送である。

当時「鬼太郎ポシット」。

鬼太郎御用達。ちゃんちゃんこ柄が施されたポシットを、抽選でのプレゼント企画が、フジテレビであったらしい。

亡母が代筆、わたしの名前で応募した。幼児であるから、字が書けない。

(当たるといいな。喜ぶだろう)

子を思う母心。若きママが、軽い気持ちで応募。

と、見事に当選したのだ。



あの頃、わたしは写真を撮られるのが大好きで、何かというと撮って貰った。

記念になるし、思い出にもなる。

何より、この子が望んでいるのだからと亡母も、じゃんじゃん撮ってくれた。

よって今でも、当時の写真は山のように残っているけどー、んが。

残念ながら、そのポシェットと共にの写真が一枚もない。

「へぇ~っ。そうなの」

話を聞く度、反応たが、全く憶えていないのだ。


フジテレビの過去帳(?)。

関連事業の当選者として、わたしの名前が記録されているかも知れない。

デジタル化されていたりして、ね。


〇耳のみに 在りて記憶は 証(あかし)なる

           写真はなきも 鬼太郎ポシェット

                         <短歌 なかむら>

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