悪だくみ

会議室でホワイトボードを叩きながら、プロデューサーの男は言った。

「伝説――倒しちゃおう」


ホワイトボードには、目元を狐面で覆った美咲の写真が貼られていた。


配信者の男――ゴウが難色を示す。

「マサヒロだっけ?あいつに勝ってるようなの相手に、勝算あるのか?」


プロデューサーは小さく笑い、ボードマーカーを手に取った。

ホワイトボードに大きく"水"と"酒"の文字を書く。


「伝説とか言ったって、所詮は人間だ」

そう言いながら、"水"の方をぐるりと丸で囲む。

「お前はこっちを飲む」


続いて、"酒"の文字をコンとマーカーで叩く。

「相手がこっちだ!」


ゴウは口の端を持ち上げた。

「なるほどな。それなら――勝つのは俺だ」


プロデューサーはにやりと笑い、隣のテーブルから一本の高級酒を持ち上げた。

「勝負を受けてもらわないと話が進まないからな。賞品としてコイツを用意した。

が、勝ったら――これで祝杯だ」


そう言いながら、ゴウに顔をぐっと近づけ、強く目を合わせる。


「勝てば――俺たちが……いや、お前が伝説だ」

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