Marry Christmas

かんざし こころ

第1話 Marry Christmas

 12月24日。

 首筋を掠める藍色の風。すれ違う人々にとっては、手を繋いだり、腕を組むいい理由になるんだろう。あいにく私は、急遽仕事が入って、さらに明日も仕事ですよ。

 最寄り駅の、瞬くように彩られた木々を横目に、パンプスを鳴らす。

 彼には、申し訳ないことをしたな。せっかく休みを取ってもらっていたのに。

 家の鍵を開け、私の気持ちほど冷たくなったドアノブを回す。

 靴を履き捨て、コートとバッグも玄関前にへたり落ちる。

 わずかに窓からの光が入った6畳に、明かりを灯す。

 違和感に目をやる。簡素な部屋に置かれた、赤色の小箱と手紙。

 彼の字で、『マリークリスマス』と書かれた封のなかには、4つ折りの結婚届。

 小箱のなかには、薬指サイズの指輪。

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Marry Christmas かんざし こころ @kokoro_kanzashi

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