夢を持たず淡々と日常を消費する主人公・真歩が、小説家として大成した旧友・霧島と再会し、自らの劣等感と向き合う物語だ。霧島の華やかな活躍の裏に潜む深い孤独や、冬の冷たい空気、煙草の香りが漂う繊細な情景描写が秀逸である。他者と深く関わることを避けてきた青年が、誰かの「星」になろうと決意し、閉ざした心の扉を開いて一歩を踏み出す過程が丁寧に描かれた、静かだが熱い人間ドラマである。
五感に訴えかけるような情景描写や、内面的な心理変化を好む方。対照的な二人の青年の、深く静かな友情の形を見守りたい読者におすすめできる