第2話 結婚前のデート

そして、婚約の前に一度顔合わせしようと言う事にトントン拍子になり、私はレイゼン=ファフィットとデートの名目で会う事になった。


そこは、王都サンドラの中でも超高級なレストランであった。

代金は全てレイゼン様がお支払いになるとの事。

レイゼン様は騎士長であり、ファフィット侯爵でもあり、他国との貿易に長けており、その財は巨万といって差し支え無かった。


レイゼン様を狙うご令嬢も多く居たが、それらの令嬢を袖にして、何故か32才の今日まで独身を貫いていた。


その冷酷な美貌を持つレイゼン=ファフィットが、私のような平凡な小娘に一体なぜ求婚などするのであろうか…?


私たちの婚約騒動は(まずはデートからだが)、王都をあらゆる意味で賑わしていた。


♦︎


レストランにはディナーをする事になっており、レイゼン様は先に着いていた。

私は支度に時間がかかり、少し遅れて馬車から降り、レストランに入って行った。


当たり前のように個室に通された。


「キャメラ=シャンデリアでございます。」


私は個室の入り口で礼をすると、中に入って行った。


「やぁ、キャメラ。

待ちくたびれたよ。

陽が沈む前に会えて良かった。」


レイゼン様はワイングラスを揺らしながら、軽い嫌味とも冗談とも取れる言葉を口にした。


「失礼しました。

完璧なレイゼン様に相応しいドレスと髪飾りが見当たらず…」


私はあえて賛辞の言葉で返した。







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