第2話 電柱

 翌日の帰り道は澄んでいた。この寒い時期に、試験終わりの開放感、力を入れなくても勝手にペダルが回るような感覚だった。

 信号の待ち時間、それを見つけた。   そう隙間だ。今度は、電柱と外壁の間のスキマだ、普段気にしていなかったが、その日はその死角が妙に胸を騒がす。もしかして試験の疲労感で気が滅入っていたのかも知れない。わざわざ自転車を近くのコンビニに置いて、そこに近づいた。

 何もなかった。分かってる。ただ、何もない。その場で地図を開き、意味もなく指で画面をなぞった。何故かこの後の帰り道は喪失感でいっぱいになった、心の隙間を埋めるように爆音で音楽を流す。

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