ギャルゲー世界の生活は、思っているほど簡単じゃない
二兎
第1話
「これ、なんてクソゲーだよ…!…絶対、作った奴の心にはルーカスに対する恨みなんて一つもないはずだよな!!」
兵士としての人生を経て、完全にオタクに転身したあの男…これは、この一年で僕を絶叫させるほどの怒りを引き起こした最初のギャルゲーだった。まさか、ゲームで生死すら売り切れないほどの速さで資金が動くとは思わなかった。
[…伝説の恋ファンタジー…] それがこのゲームの名前だ。
理不尽で、作者が意図したかどうかもわからない悪役が登場する。プレイヤーがどのヒロインを選ぼうと、あるいはどの悪役に関わろうと、最後には必ず、哀れな悪役「ルーカス・ウィンター」が死を迎えることになる。
結局、こいつ一人だけでも、生死のシーンを見せつけられることで、登場キャラクター全体がより生々しく、リアルに感じられるのだ。
「くそったれ! 伝説の恋ファンタジーなんて名前を、ルーカスの悲劇のためのクソゲーに変えやがったのか!」
死ね、ゲーム制作チームめ。
死ね、このゲームを遊ぶためにルーカスの死を見て楽しむクソ野郎たち。
そして、制作側が一番死んでほしいのは、消費者の金を巻き上げる仕組みを作った奴らだ。ヒロインの一人を見せびらかすためだけに、命を消費するなんてありえない。
「もうやらない…くそ、ムカつく!」
僕はその場でゲームを投げ捨て、心に溜まった怒りを吐き出した。まだゲームを続ける気持ちはゼロだ。
「ルーカス、安らかに眠れ…財布の中の金と一緒に…はあ、明日もまた借金返済のために金を稼がないと…」
でも、立ち上がっている今、この瞬間――
「……うっ!」
胸の中央に、突然強烈な痛みが走った。
不意に襲ってきたその痛みで、体が床に崩れ落ちる。
(苦しい! まるで死ぬところだ!)
いや、今まさに死ぬ――まだルーカスや財布の中の金に正義を求ることもできないまま、死ぬなんて!
「くそっ…まだ死ねない…まだ…まだ…」
やがて、全身の感覚が一気に消え、意識は無になった。
残されたのは、静まり返った部屋だけだった。
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