幼い日の、おぼろげな記憶。
具体的な前後の状況は覚えていないけれど、そのときに見た光景は脳裏に鮮明に焼き付いている。
だから、確かにそういうことがあったのだ。
けれど親や兄弟に話してみると、自分の記憶とは食い違っている。
彼らは言う。そうじゃない、とか、そんなことはなかったよ、と。
確かに見たのだと抗弁するのだが「あんたは小さかったから」と一笑に付される。
幼かったがゆえの思い込みや刷り込み、勘違い。
これはそういった類いの、誰にでもよくあること。
――なのだろうか? 本当に?
オムニバスのように重ねられるいくつもの不確かな記憶の断片が、あなたがまだ幼かったあの日のことを呼び起こします。